誰のため、何のための支援?

「若者支援」が公的な政策になってはや15年あまりの月日が流れていますが、いまだ状況は不安定なままに置かれています。事業そのものの不安定さもさることながら、「数値評価/成果」に追い立てられていたり、委託をめぐる競争に晒されていたり、「誰のため、何のため」というそもそものニーズ・スタート地点が揺らいでしまいそうな状況に置かれています。

若者支援が全国に広まる

かつて、政策的には見向きもされてこなかった「孤立した若者たち」の現状に対し、「ないなら自分たちでつくる」ということで、試行錯誤しながら構築されていったのが、ひきこもり支援をはじめとするさまざまな若者支援でした。「個人の問題」として処理されていた権利の剥奪状況に対し、「わたしたちの問題」として取り組んでいこうとする実践が、各地で同時多発的に取り組まれてきました。地道な活動の成果もあり、それら活動の社会的意義・必要性がある程度世間にも周知されるようになるにつれ、一部の人たちだけでの取り組みにとどまっていた各種実践が「社会の問題」として捉えられるようになり、制度・政策の遡上に乗るようになってきました。制度化に伴い、それまで自由に取り組まれてきた実践にさまざまな制約がかかってくるという部分はありましたが、それでも一定の規模で若者支援が広まり多くの若者たちにアクセスできるような環境が整えられていくようになりました。

若者は商品の「素材」か?

しかし、いったん制度化され行政上の「事業」として位置付けられるようになってくると、今度はそこに「若者支援産業」とでも言えるような市場が広がり、そもそもの発端としての「若者のため」という部分は、あくまで商品の「素材」としての位置付けに貶められるようになっていきます。そのように市場化された状況では、多様なニーズに即した丁寧な実践をしていくことよりも、「よい実践」であるように顧客(行政など)に映ることが重視され、分かりやすく成果の見えやすい実践へと傾斜していきます。その結果、支援の現場からも排除される若者たちも出てくるようになり、困難を抱える若者はいっそう不可視化され自己責任化されてしまうという悪循環が生じてしまいます。こうした「社会化/市場化」をめぐる構図は、若者支援政策だけに当てはまるものではなく、保育や介護、就労支援や学習支援などなど、さまざまな分野で生じてきていることで、その背景には行政政策全体における市場化の流れが指摘できます。

現場発のオルタナティブを!

そういった状況の問題構図を確認するとともに、それを現場レベルでいかに乗り越えていけるのかということを、皆で検討していければと思っています。簡単に答えの出る問いではないですし、日々の事業遂行との兼ね合いも難しい部分が出て来ることと思いますが、個別団体だけでは対処しきれない問題に対し、皆で集まり知恵を出し合い、現場発でオルタナティブなありようを提起していければと思っております。

開催要項

日時

2018年7月21日(土)14:00~17:30

場所

ワーカーズコープ 8F会議室 〒170-0013 東京都豊島区東池袋 1-44-3 池袋 ISP タマビル

参加費

1000円(資料代として)

タイムテーブル

 
14:00 あいさつ
14:10 基調報告:津富宏さん(静岡県立大学/青少年就労支援ネットワーク静岡)
     「市場化・社会化をめぐる若者支援現場が置かれている状況」
15:10 休憩
15:30 分科会
        ①学習支援 中野謙作さん(高根沢町ひよこの家/栃木県若年者支援機構)
        ②就労支援 西岡正次さん(A´ワーク創造館)
        ③ひきこもり支援 森下徹さん(グローバル・シップス こうべ)
17:30 分科会終了
18:00 懇親会

申し込み・問い合わせ

JYCフォーラム事務局(info_e-mail)まで、名前・所属を明記の上お申込み下さい。