JYCフォーラムは自分らしく暮らしていける社会を目指した「若者」に携わる実践者のネットワーク団体です。

ふくしま大会テーマ別実践交流会

「第11回全国若者・ひきこもり協同実践交流会inふくしま」では、参加者が13の分科会に分かれて意見交換・交流を図りました。

テーマ別実践交流会①「居場所の入口問題 : 居場所をどうつくり、増やし、それを若者たちに届けていくか?」

ひきこもり支援においては、①訪問支援、②居場所提供、③就労支援 が定番メニューとなってきました。順番としては、②居場所から始まった支援は、そこに自力でたどりつけない若者たち(入口問題)を発見したことで①訪問支援をスタートさせ、またそこに滞留する若者たち(出口問題)を発見したことで③就労支援を本格化させていきました。とはいえ、これらの枠組だけでは対処しきれないというのが実情です。このテーマ別では、上記の入口問題に照準し、孤立する若者たちをうけいれる居場所をどうつくり、増やし、それらを当の若者たちに手渡していくか、という喫緊の課題について、各地の実践をもとに、皆さんとともに考えていきたいと思います。

テーマ別実践交流会②「居場所の出口問題:居場所感覚を押し広げ、社会参加の拠点となる、居場所のありかたについて」

そこが安全で安定しており、参加者が安心できるということは、居場所の第一条件です。同時に、若者の協同実践の場として居場所を想定するなら、そこがどのように社会参加の拠点となりうるのかを考え、実践していくことが求められます。若者たちを居場所から外部の社会へとどう接続していくかという課題(居場所の出口問題)です。もちろん、居場所とは、既に/常にひとつの社会です。ですからそれは「若者たちが生き、活動し、躍動する“社会”をどのように外部へと拡張していくのか」とも言い換えられるでしょう。このテーマ別では、多様な関係性へと開かれ、よりひろい社会への参加拠点となるような居場所をいかに構想できるかを、みなさんとともに考えたいと思います。

テーマ別実践交流会③「仕事体験から就労へ~企業連携と協働の未来展開を一緒に考える~」

非正規就労者の過半数が若者に集中する現在、貧困は子どもも巻き込んで「未来を夢みること」を許さない社会が拡大しています。子ども・若者の未来を閉ざすことは、社会全体の未来を閉ざすことであり、危機感をもつ人も多いのではないでしょうか。
本テーマ別では、不利な状況におかれている若者が、どんな職業・職種・職場を「自分で選択でき、継続的に、幸せに働き、生きられるのか」を考えられる土壌づくりについて考えます。
自社に若者を受け入れる企業側は、「仕事体験をした若者や採用した新人が社内チームの一員・良き働き手として育成できるのか?」という知恵をしぼっていただき、支援者側は仲介者としての役割を考えます。「仕事体験」をひとつの例とし、企業と支援者を、「働く=生きる(career)」を一緒に創る協働者として捉え、お互いにWin-Winである継続的な関係の築き方について模索し、アイディア出しにチャレンジします。

テーマ別実践交流会④「仕事づくりへの挑戦」

みなさんは、「仕事への一歩」と聞くとどのような実践をイメージしますか。就労へむけてのモラルやマナー、職業体験、技術習得、適正判断といった職業訓練、または企業へのマッチング等の「適応中心実践」を想像されるかもしれません。若者たちが、仕事への一歩を踏み出すとき、適応だけを求める「支援者優位の見せかけの就労支援」ではなく、若者たちが仕事の経験値を貯め、主体的に力を発揮することが出来る、ともに働き、ともに生きる(活きる)場を創造することが必要ではないでしょうか。テーマ別実践交流会④では、「仕事づくり」という協同的な実践から「支援者―被支援者」という二分法ではない関係づくりや「これは、自分の地域でもできるかも!!」という夢をともに語り合いたいと思います。

テーマ別実践交流会⑤「ひきこもる家庭への支援」

ひきこもり支援の現場では、社会的孤立の観点からひきこもっていること自体を問題視する傾向があります。支援者や家族の多くは、家庭から一歩を踏み出させることにとらわれてしまうことも少なくありません。「ひきこもっている状態はよくないもので、それは防がないといけない」という考え方は、支援者や家族、ひきこもる若者自身を追い込んでしまうものではないでしょうか?
本テーマ別実践交流会では、ひきこもり状態も成長発達の一プロセスと捉え、ひきこもっている住まい・家庭にスポットをあて、家族との生活を通しての関係の持ち方、ひきこもっているときの有意義な過ごし方を探るなかで、ひきこもり状態としての1歩を考えていきます。

テーマ別実践交流会⑥「生活支援のあり方を探る」

貧困家庭や若年ホームレス状態にある若者に対しては、単に就労支援には留まらない継続的な支援が必要であると考えられます。その一つのあり方として、生活の学び直しを含めた生活支援のあり方が問われ始めています。政策的には「生活困窮者自立支援制度」が対応していますが、人材的にも制度スキーム的にも若者への対応は遅れていると言わざるをえません。
この分科会では、生活困窮支援における若者世代への対応について、全国の実践事例を通して検討し、不利な状況に立たされている若者への生活支援のあり方を探っていくこととします。

テーマ別実践交流会⑦「若者が参加する地域づくり」

かつては人々の暮らしの基盤であった地域社会が大きく様変わりしているなかで、若者と地域の関わり方も変化してきました。若者にとって地域とは何だったのか、それがどのように変化して、ひきこもりをはじめ若者にどんな影響を与えているのか。また、これからの若者と地域の関係性を考えるなかで、今、どんな取り組みが生まれ実践されているのか、どんな課題があり、その先にどんな地域社会を若者が創造できるのか、その可能性を探ります。

テーマ別実践交流会⑧「若者支援と発達障害・精神障害」

若者支援を進める現場では、つねに「発達障害」「精神障害」の問題と向き合います。しかし、必ずしもこうした分野の「専門家」ではない支援者(ワーカー)は、自分たちの役割や支援のあり方について日々悩みを抱えています。本分科会では、医師や臨床心理士、精神保健福祉士といった専門家ではない支援者(ワーカー)が、「発達障害」「精神障害」のある若者とどう向き合えばよいのか、また専門家や専門機関とどのような連携や役割分担をしていければよいのかについて、実践報告を交えて、参加者と一緒に考えていければと思っています。また、福島の現場からは、震災等の社会の危機とともに深刻化する
発達障害者や精神障害者の暮らし・日常活動について報告して頂き、若者支援者がどう向き合うのかを考える機会とします。

(3)その他の企画

特別分科会①「多様な学びの機会を実現するために」

今日、フリースクールの法制化をめぐる論議が活発化しています。上程されようとしている「義務教育の段階に相当する普通教育の機会の確保に関する法律案」には、不登校の子どもたちの学習を支えるものと期待する声がある一方、子どもや親に就学義務を脅迫するものではないかという不安も広がっています。「多様な」という文言が消えているのも気にかかります。本分科会では、1日目はこの法案の本質とは何かを学ぶための学習会を行ないます。そして2日目にその賛否についてパネルディスカッションを行い、さらには、これからの運動の進め方について意見交換を行います。

特別分科会②「震災と若者支援」

東日本大震災がもたらした被害は甚大で、復興いまだ半ばという状況です。他方で既存の社会の仕組みが通用しづらいこともあり、若者たちが試行錯誤と挑戦を繰り返すなかで、地域づくりの主体へと育っている様子も散見されます。こうした被災地の状況および若者たちの姿は、明日が見通しづらい社会状況下で生きる若者たち全般にも通じるところがあります。この分科会では、被災地における子ども・若者の状況および支援の事例をもとに、これからの若者支援のあり方について学び、深めていきたいと思います。

特別分科会③「家族交流会」

ひきこもりの若者の『その人らしさ』を大切にした多様な自立をサポートしていくために、家族同士が集まって、想いを語り合いながら、家族としてできることを一緒に考えていきましょう。今回は、ひきこもりの当事者がひきこもっていた経験や知識・知恵を参加者の皆さんに伝えて、対話しながらお互いに学び合う「ひきこもり大学」も開催する予定です。家族の皆さんが元気を持って帰ることができる交流会としたいと思っています。

ワークショップ①「新しい暮らし方・働き方」

いまやりたい仕事はありますか。見つからないとしたら、それは用意された選択肢から選ぼうとしているからかもしれません。好きなことを仕事にして月15万円稼ぐのは大変そうですが、月3万円だったらどうでしょう。なんだかやれそうな気がしてきませんか。ならば、月3万円の仕事を5つ作ってみるというのはどうでしょうか。みんなが取るに足らないと思っている小さな仕事を、仲間と力を合わせてかき集め、たのしく働く。仕事の作戦会議です。

ワークショップ②「わたし・若者・ワクワクラボ『生きる』を創り出す『たのしい』こと~その価値と可能性~」

いつの間にか「やらなきゃいけないこと」に追い詰められ、見えない社会からの自己責任の重圧で人生や活動に疲弊している―こんな生きづらさや孤独感を、多くの人が当事者として経験しているのではないでしょうか。私たちは、どうやったら生きる希望を失わずに、「本当にやりたいこと」をしていけるでしょうか。この会では、様々な表現(アート、食、パフォーマンス、スポーツ等)を通して交流します。心身を動かしたり、実験したり、共有したりしながら、自分の「たのしい/生きたい生き方」や、それを支える仲間/社会づくりについて探り、話し合います。当事者、支援者、一般の人誰でも参加歓迎です。合言葉は「やりたいことやっちゃえ~まるくなって話しましょう~仲間とレッツゴー!」

事業内容

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